目またはもうひとつの眼球譚へ 春日井建 <未成年> 

春日井建 <未成年> 1977、初版 現代歌人文庫 国文社刊

青き瞳(め)のうつす青空絶命のこのまったけき青をわが見たり(<人肉供物>より)

 アドレッサンス(青春)の特権、夭折、同性への憧れ、肉欲、それと一見反するプラトニズムにあふれている
 未成年後の無様な大人となった詩人はすでに輝ける言葉を失っていたはず、いや次のように予感していた

ことばなど失ひはてむ日がくると仰げり小暗く雪の舞ふ空(<未成年>より)