今年見た映画(ビデオ)で2,3気になっているひとつ(つづき)

utu2004-12-29

<アルジェの戦い >(1965/伊=アルジェリア)

La Battaglia di Algeri
[Drama/War]
監督 ジッロ・ポンテコルボ
脚本 フランコ・ソリナス
撮影 マルチェロ・ガッティ
音楽 エンニオ・モリコーネ
出演 ブラヒム・ハギアグ / ジャン・マルタン / ヤセフ・サーディ / トマソ・ネリ
(映画批評空間より)

 フランス統治下のアルジェリアの反フランス組織の爆弾闘争推進派の主人公の視点から始まる映画。
 フランス軍にアジトが見つかり包囲され追いつめられた、主人公の回想をフラシュバックのように織り交ぜながら、他方、市民を巻き込んだ暴動、反植民地闘争の高揚、そして独立へと至る道をドキュメンタリータッチで製作したもの。

 テロリストの切迫した心理がクローズアップによってスリリングに描かれ、本当に引き込まれる。>外の暴動シーンも凄い迫力
だが、一方どうして、しがないスリや泥棒の粗暴犯であった主人公がテロリストに至ったのか説得力がいまいち。
 また爆弾テロが席巻する世界・今これを見てどうなのか?という気もする。
と言うのも、爆破による被害者に対する痛みとかは全く描かれていなかったが、政治(目的)のためには手段を選ばぬというテーマは、故意にか、作者によって表には出てこないからだ。
 この大きいテーマも歴史の中では流れ去るのだろうか?もしそうだとすれば、勝てば官軍と同じ理屈にはなりはしないか?ブッシュ政権が今までやって来たことは、例えば、50年経ってこれを振り返ったとき、未来の(将来)歴史の中でアメリカ対イスラム教国の政治、経済、軍事等の勢力地図が変わっていたとき、どちらが<官軍>であるのか、そして今の戦争やテロや暴力をどう見るのだろうか?>半世紀も前の映画なのに感動し、考えさせられた


<動くな、死ね、甦れ!> (1989/露)

Zamri, umri, voskresni!
Freeze, Die, Come to Life
[Drama]
製作 アレクセイ・プルトフ / ワレンチーナ・タラソワ
監督 ヴィターリー・カネフスキー
脚本 ヴィターリー・カネフスキー
撮影 ウラジミール・ブリリャコフ / N・ラズトキン
美術 ユーリー・パシゴレフ
音楽 セルゲイ・バネビッチ
衣装 ターニャ・コチエルギナ / ナターリャ・ミレアント
出演 パーベル・ナザーロフ / ディナーラ・ドルカーロワ / エレーナ・ポポワ
(映画批評空間より)

 すごく繊細な映画。少年が主人公。当時(第二次大戦後もない)のソ連社会の批判は勿論だが、それが前面ではなく、少年の家出、少女に対する淡い恋心、大人に対する不信感、反発、冒険心が斬新な映像とカメラワークによって描かれていた。そして丸裸の女が箒に跨がり泣きわめき、発狂するラストシーンの衝撃。>ギリシャ正教でも魔女は箒に跨がりか?

タイトル度☆☆☆☆