文字化け又はリリィ・シュシュ

リリィ・シュシュのすべて (2001/日)
All About Lily Chou-Chou
[Drama]
監督 岩井俊二
脚本 岩井俊二
撮影 篠田昇
音楽 小林武史
出演 市原隼人 / 忍成修吾 / 伊藤歩 / 蒼井優 / 大沢たかお / 稲森いずみ / 市川実和子 / 杉本哲太

映画批評空間より

 初めて2,3ヶ月前にレンタル店で借りて岩井俊二のをみたのだけれど、思春期の切なさや、孤独、それと求める愛(友情)、絶望感を見事描ききって、テクニック的にも凄いなと思った。最初と最後のシーンの美しすぎる情景>これは絶望感なのか、癒しなのか?
そして、本題とはなんの関係もないのだが、なによりも、文字化けをもデザインとして使用する発想、審美眼には脱帽。
 また使われた音楽がドビュッシーUAらしいが、クラシックの高踏派よりはUAの方が僕にはピンとくるのだが、それでも最初と最後のシーンの画面と緊張感と安寧とがうまく一体化していた。
 ホームビデオカメラでの少年たちの沖縄の旅、そしてほんの少しだが、UAのライヴシーン、これら、異質な感触のものも、うまく挿入し、岩井の反リアルの美学の一端を垣間見せてくれた。
 マックを使っているとこんな文字化け>なつかしい