Giovanni Battista Piranesiピラネージ

18世紀のイタリアの版画家・建築家
その「想像による牢獄」(Carceri d' Invenzione)シリーズ(1761年)で浪漫派に大きな影響を与えたのは周知の通り。
昔<牧神>か何かで見たときは、判然としなかったせいか、こちらが不注意で見落としていただけなのか、重苦しい地下建築めいた物の威圧感しか感じなかったが、ちょっとweb(Fine Arts Museums of San Francisco
>画像拡大できイイ)で見ていると、人影があり、それもなにやらおかしい姿勢。http://search.famsf.org:8080/search.shtml?keywords=%67%69%6F%76%61%6E%6E%69%20%70%69%72%61%6E%65%73%69&artist=&country=&period=&sort=&start=11の13以降
足枷をされた人が苦役させられていたり、また無理矢理つれられて下のライオンの餌食にさせられそうになっているではないか。

例えば、これとは全然関係のない<兵士の研究>(http://search.famsf.org:8080/view.shtml?keywords=%67%69%6F%76%61%6E%6E%69%20%70%69%72%61%6E%65%73%69&artist=&country=&period=&sort=&start=41&position=48&record=58041)では死んでいるか、負傷している兵士の姿が描かれている。
またThe Skeletons, from the series Grotteschi,<グロチェッキシリーズの髑髏>(http://search.famsf.org:8080/view.shtml?keywords=%67%69%6F%76%61%6E%6E%69%20%70%69%72%61%6E%65%73%69&artist=&country=&period=&sort=&start=41&position=44&record=58125)では首を切り落とされたものや、今まさに斬首されようとしているシーンが出てくる。

なんということか。
ピラネージはある種の刑場に近いものを描いていたのだろうか。
そうだとするとこの牢獄シリーズ、この黒い版画は急にどす黒く、血なまぐさい禍々しいものに変わる。遅まきながらその奇想に驚く。