トリック・ベイビー (1999/米) メルヘン風

主人公のニックネーム・ホワイトガールがトリックベイビ*1ーや麻薬売買で25年の刑を言い渡される。
矯正施設からの頭のイカれたメキシコ女と脱走
後は一家惨殺後、逃避行(ロードムーヴィー)をへて、たどり着いたメキシコのテファナで銃撃戦。
既出<俺たちに明日はない>の現代版なんだろうか?

Freeway II: Confessions of a Trickbaby
[Drama/Crime]
製作 クリス・ハンリー / ブラッド・ワイマン
監督 マシュー・ブライト
脚本 マシュー・ブライト
撮影 ジョエル・ランサム
音楽 ケン・ラムジー
出演 ナターシャ・リオン / マリア・セレドニオ / ヴィンセント・ギャロ / デヴィッド・アラン・グリア / マイケル・T・ワイス / ジョン・ランディス
映画批評空間より

拒食症でゲロを吐きまくる主人公、そして男装したオコゲまるだしの女友達エンジェル。
カルトのシスターに扮したビンセント・ギャロが案内する倒錯した世界。
最終的には子供を殺して食うカニバリズムのカルト集団の悪行に気づき、友達を助け銃撃戦の果て、奴らをやっつけるのだが・・・
不意に<タクシードライバー>を思い出したが、そんな重苦しいタッチでない。
たぶん絶望を超えているような乾いた感覚の主人公たち。
ヘンデルとグレーテル>をも下敷きにした大人の残酷なメルヘンと言うべきか、奇妙な作品。
 最初のゲロシーンのスプラッターさがイタダケナイけど、また映像、カメラのどこもとりたてて言うほどのこともない。また、ラストシーンで弁護士の腕の中へ飛びつくなど、筋として、確かにおかしいところもある。
が、それでも、フツーのやや肥満タイプで、美形でない主人公の演技、また相棒の美しいメキシカンが殺害にいたるシーン、これらが妙に現実感を与えてくれ、しかもなにやらエンターテイメント風に最後しめくくるとこなど、監督のマシュー・ブライトの力業ではあるが、その批評性とともに買いたい。

癒し(エンタ)度   ☆☆☆☆
エロ度        ☆
グロ度        ☆☆
ゲロ度        ☆☆☆☆
批評度        ☆☆☆☆

蛇足

ビンセント・ギャロの鼻の高さ>メルヘンの老婆(魔法使い)
迷わないために印としたのが殺害した男から奪ったコカイン>笑

*1:売春しかけたところでスケベ男から金を巻き上げるそうだ