<映画とシュルレアリスム>

既出http://d.hatena.ne.jp/utu/20051106/p4
実は著者アド・キルーを誤解していた

というのは後半(下巻)、<アンダルシアの犬>とかやたらとルイス・ブニュエル賛歌に費やされているんでただのシュルレアリスムの持ち上げ、ヨイショかと思っていたが、そうではなかった。不明を恥じる。

私はノスフェラテュ、可愛いビビ、キング・コング、ウーディニその他のものを親しく知っている。それらのものの現実性を否定する連中を私は愚鈍なものとみなす。私は、ザロッフ伯爵、悪魔の人形、巨人ゴーレム、夢遊病者ツェザーレがわれわれの中で生きていると保証する。彼らは2時間しか寿命のない幽霊に過ぎないが、しかし血まみれ修道女とメルモスと同じ、現実的な存在であり、おもれのまわりに奴隷かと倦怠の教師たちによってもうけられた、精神的、社会的、道徳的秩序を破壊する光線をまき散らしつつ、おのれ自身生きる存在なのだ。

実際、オマージュの対象としている映画はT・ブラウニング(あのFREAKSの監督ね)フリッツ・ラングメトロポリス>、<M>、ムルナウの<カリガリ博士>、<サタン>(1919、未観)や<マブゼ博士>、<ノートルダムのせむし男>等>嬉しくなってくる。
ちなみに第3章の見出しを引くと

 ドキュメンタリー
 旅
 エキゾティズムからポエジー
「他所」とはまたここのことだ
 ルイ・フィヤード
 連続映画と冒険活劇