<シティ・オブ・ゴッド>どうなんだろう?

 最初の、逃げた鶏をギャング達が追いかけて主人公に出会う、動と静のコントラストから始まる回想の物語。タランテーノの<パルプフィクション>風の時間の再構成を思わせ、それはそれで成功している。
 そこから紡ぎ出される物語は、リオデジャネイロ郊外の貧民窟で繰り広げられるドラッグをめぐる少年ギャングの60〜80代年の抗争劇。そして主人公の現在。
 年端もいかない子供がピストルをぶっ放しギャング化する。
 かっての3人組の仲間だった一人はギャングのボスになり、一方主人公の少年はカメラマンに憧れこの抗争シーンをシャッターにおさめるが、本当は何を撮りたかったのだろうか?イヤ、彼に仮託してこの監督は何を撮りたかったのだろうか?
暴力シーンの空しさ、殺人マシ−ンと化す少年達の愚劣さか、いやその社会の貧困か?
 たしかに暴力シーンの連続だが、いくら人が殺されても、所詮は銀幕の中のフィクションでしかない、<ブラックホークダウン>に似た活劇の空しさ。ボクは裏切られた様な気がした。
 この中で迫真の演技シーンは子供が仲間の子供の手を撃てとボスに命じられどちらも半泣きの顔をして、躊躇している間にボスが足を撃つた時。>このときばかりは痛た!と感じた。
たぶんこれが、ボスの結末を暗示していたのか・・・・

仁義なし度☆☆☆☆☆
エロ度>ぜんぜんねーや(主人公の恋愛体験も中途半端)

http://cidadededeus.globo.com/

シティ・オブ・ゴッド (2002/ブラジル=仏=米)
Cidade de Deus
City of God
[Crime/Drama/Action/Thriller]
製作総指揮 エリザ・トロメッリ
製作 アンドレア・バラタ・ヒベイロ / マウリシオ・アンドラーデ・ラモス
監督 フェルナンド・メイレレス
脚本 ブラウリオ・マントヴァーニ
原作 パウロ・リンス
撮影 セザール・シャルロニ
美術 ツレ・ペアケ
音楽 アントニオ・ピント / エド・コルテス
衣装 ビア・サルガド / イネス・サルガド
出演 アレクサンドル・ロドリゲス / レアンドロ・フィルミノ / フィリプ・ハーゲンセン / ドグラス・シルバ / ジョナタン・ハーゲンセン / セウ・ジョルジ / マテウス・ナッチェルガリ
映画批評空間より