『赤瀬川原平の今月のタイトルマッチ』←ちょっと長い、古い文、堪忍!

2000,6,1ギャップ出版 発行

以下半年以上前にHPにのせてた文


赤瀬川原平の文章は相変わらず面白い
どっからその発想がくるのか不思議。
最近『赤瀬川原平の今月のタイトルマッチ』2000,6,1ギャップ出版 発行 をよんでいて腹を抱えて笑ってしまった。
 本書は資生堂の広報誌<花椿>に連載されていたそうだが、ほんの中身を抜きにして書評を試みたのだから、人をくった話。
結局のところ、タイトルの面白さで勝負。
たとえば亡命ロシア料理これ自体なんとういこともなく見過ごしそうなタイトルだが
 >>なんだかちょっとどっきとするタイトルだ。
料理の本はいろいろあるけど、亡命とういと何か思想とか政治がからむ。命からがら逃げ出してきた、というイメージがある。
 器に入ったロシア料理が、革命ソ連国から命からがら逃げ出してきた・・・・<<

こう指摘されるとこのタイトルのシュールなのが分かると同時に腹を抱えてわらわざるをえない。以下『定年ゴジラ』、『妻を殺したのは私かもしれない』
溺れる魚』、『ウエディング・マニア』、『落ちこぼれてエベレスト』等内容と何の関係もなくばたばたとタイトルを切りまくる、と言うより、遠慮しながら独特の頓珍漢の姿勢でネメ回す。
そして著者赤瀬川が感激したのが『わからなくなってきました』宮沢章夫著で彼の赤瀬川へのレス文、さらに著者の本をめぐって南伸坊他一人と鼎談も収録されている。(赤瀬川文章初デビュウー『オブジェを持っ無産者』(初版本もっています!が、これも茶化されています)
 こうは言っても、それぞれの本については編者が写真入で簡単な内容を紹介しているのでこの本を読み終わった後(よじれた腹の皺をのばしながら)、書評を読み終えたような充実したとのとは違うが、別の意味で何か得をした気になるから不思議だ。
ぼくのベストタイトルは『西へ行くものは西へ進む』>これって最高なートートロジー
ですね。

彼のカバーもイカスけど、アーティストなんで・・・・
内容と形式のアンバランス、タイトル(意味)と作品なんかいろいろと考えていると赤瀬川にひっかかった。