HRGiger(ギーガー)の本< The Mystery of San Gottardo>

TASCHEN、1998
      

 手に入れてみているが以前発表したフイルムの場面やタイプ打ちの手紙、スケッチ、ドローイング、エッチング、発表場所を変えながら書かれた物語、そうしたものがコラージュされて、暴力的な、そいてエロティックな憑依状態に陥れそうだ。勿論原文が分からないので物語の筋をつかむことも出来ないが、それでも、モノクロのデッサンから立ちのぼるのは荒々しいなにか、強いて言えば、殺意とも自己破壊とも言えそうな暗い雰囲気がみなぎっている。切断された両腕を合成した生きもの、これまた同様切断され合成した両足。それら化け物が主人公でもある。網タイツをはいた女の切断され合成された1本の艶めかしい足。>これは、ハンス・ベルメールやmolinier(モリニエ)(2004-02-11の日記参照)のアブナいフェティシュ・倒錯の世界(観念主義)と繋がっている。