あの絵は「山地々」(やまじじ)竹原春泉筆だった

ふと本棚の奥を見ると昔買った<日本妖怪変化史>文庫版が出てきたので見ていると

土佐山中にいる獣のごとき「山地々」(やまじじ)というものも、人の寝込みを伺い、呼吸を吸い、胸を叩きに来る。吸われたものは即座に死ぬ。しかし吸われるところを見ている人があるときは、かえって吸われたものは、長寿であると伝えられている(桃山人夜話)<日本妖怪変化史>江馬務p79S51,7,10 中公文庫より

竹原春泉筆>まさに平野威馬雄の妖怪(退治)博士・井上円了の伝記の箱の絵だった。

 蛇足(へびあし!) 
威馬雄の、以前触れた<癊者の告白>でぼくが気に入ったのは作者(主人公)が恋いをした相手がなんとろくろ首女だったこと。主人公はその見世物小屋の一座に亭主然と加わり各地をドサまわりする。それは、ドープのコカインやクロラールとその女の愛欲図が展開するエピソード。>でもエロくない、ボロボロになった肉体を通した狂おしい肉欲もなにかプラトニックなものを感じさせる。