猫のエロス?(深読み)

peeeさんの右側の猫の写真(以下ネタにしてスイマセン、他意はありません、可愛いなということで)→http://peee.boo.jp/blog/
なんか、猫に発情(猫がではなく、猫に)しそう
妙に顔が、鼻から少し下の辺りが艶めかしくて>性別聞かんとこ 笑

ところで猫と言えばこの小品傑作(あっという間に読めますが・・・)が気になっている

<愛撫>
梶井基次郎
「詩・現実」1930(昭和5)年6月
http://www.aozora.gr.jp/cards/000074/files/411_19633.html
是非一読のうえで・・・

筋はこんのものでしょうか

①猫の耳というと、一度「切符切り」でパチンとやってみたくて堪(たま)らない残酷な空想
②またネコの爪を全部切ってやればどうなるかという空想
③そして夢でネコの手を化粧道具にした女の話
④ネコを両手で上げながら
柔らかいその蹠(あしのうら)を、一つずつ私の眼蓋(まぶた)にあてがわせ 
⑤最後にオチで

仔(こ)猫よ! 後生だから、しばらく踏み外(はず)さないでいろよ。お前はすぐ爪を立てるのだから。

●愛撫というタイトルとその内容のアンバランス

 ③で白粉の匂いがするところからその夢の女のエロティシズムを感じないわけではないので、あながちタイトルのエロティシズムを裏切っているわけではない。しかしそれはあくまでも空想以上に非現実的な夢のことであり、そかはかとない残り香のような薄い印象がの残るのみだから。>但し人に対し
 いや、これってのは、最後に現実の私(作者)が登場する④、⑤で見事に想像や夢を裏切り、そして愛撫を求める読者(ぼく)に手ひどいしっぺ返しを喰らわせる。なんともユーモラスな作品である。
 笑いたくなるが、よく考えてみると、
それは、④の猫の蹠で私が目蓋をあてがわせて、猫を愛撫するんではなく、自分を愛撫させている。そして恍惚となっている。>エロティシズム(オナニズム)
が、⑤の現実感が脳裏をよぎり、エクスタシーは中断される。
 このズレがおかしみを誘うのだろうか?だが、尻餅ついて苦笑いばかりしていられない。
 というのは、どこにも書かれていないのだが、蹠を目蓋にあてがう前に<私>は猫をおもちゃにするほど愛撫していたではないかなという疑いが生まれるから>猫に対するエロス
 そうだとすると、これは、何も書かないことで、梶井はもう一つの罠・想像力をぼくたち読者に仕掛けていたということではないか?