省略した<てなわけで>↑

↑本処分したわけは、実は近日駄本6,7冊購入予定なんで
とにかくガラクタを処分するように子供からも家の者からも再三再四言サンザン小言を言われていたし
こちらもその気になり
死蔵しているんだったら>あげたらいいじゃないかという気で

鷹揚だねフリークフリーク>買うのには執着するが、関心がなくなり手放す段になると、意外にサバサバした磊落なところもあるネ)ホントは小心者

「儂(わし)はもうこれから本買わんことにしたんや」
「どうしてですか?」
「図書館でええやないか」
「何も買うほどのことはない」
「それもそうですが・・・
やはり、手元にあると安心だし、第一いつでも取り出せて読めるじゃないですか、ね、旦那」
「いや、もう紙は古くさいぞ。
儂なんぞ、PCで青空文庫でペイパーレスだ、あれはいいぞ、重い本などいらんしな、空間も占領しないからな」
「え、なんですってWCで青カンぶんこ?」
「あほか(バカァ)!」一喝

ところで彼は今まで溜めた本をどうしようか必死で思案していたのだ。
遅々として決断できなかった。冷汗がポタリポタリと落ちた。

●どうしてブックオフ系に売らないって?
 ①店員が評価できない>実は古くて買い取り拒否された恥ずかしい体験有り
●どうしてネット(楽天、ヤホオク等)で売らないって?
 ①古本屋ごっこは止め!
 ②業者がこっそり買いに来る
●どうしてアマゾンで売らないって?
 ①発送せかしよる(急がせる)
 ②アマゾンにこれ以上儲けさせてどうするの?
 >実はこっそり数点10冊以内洋書を注文しようとしている
●どうして古本屋へ売らないって?
 ①面倒くさい
 ②高い値を付けて売られるのも癪だし>実は、そこそこのものを買う時値引きしてもらう様頼む習性が身に付いた
 ③「フランスみたいに蝶ネクタイが似合う古本屋のオヤジがいるか?! 」とか「カタログの注釈のできが違うぞ!」

結局どうしていいのか分からなかった。足が止まった。
しかし時間は待ってくれない。子供と妻の顔が脳裏によぎった。
その鬼婆化した怖ろしい顔、夜叉のごとき冷酷無惨な視線。
いよいよ窮地に陥ってきた。
秋晴れの清々しい空気が汗ばんだ額を冷やしたが、本人には気持ちが悪かった。
頭上から銀杏の葉が数枚舞ってきた。
 彼は暫く青空に向けギッと凝視して、考えに耽っているようであった。
が、急にこちらに顔を戻すと満面を笑みを湛えて
「そやそや、タダで貰ってもらうん!」
突然の奇策に驚き、彼の意図がどの辺にあるか掴みかねたものの、いつもの癖で
揉み手をしながら
「分かりました、ヘイヘイ、さすがですね旦那」」と追従
しかしそうは言ったものの、最初言おうか言うまいかためらっていたが、とうとう小声でこっそりこう聞き返した。
「でも、旦那、5,6冊タダであげて、6,7冊買うんだったら、いっこうに減りませんよ。
減るのは金だけですよ!
本が逆に増えるってのは小学生でも分かりますよ」
「バカもん!そんなことは分かてるわい」またも一喝の大音声。
 そう言うと、フリークフリークのジジイの奴顔がゆるみ、口をすぼめて「ポトラッチ!」と奇声を発するや、小躍りしながらどこかへ走り去っていった。