黒い神と白い悪魔 (1964/ブラジル)

Deus e o diabo na terra do sol
Black God, White Devil
[Drama]
製作 ルイス・パウリーノ・ドス・サントス / ルイス・アウグスト・メンデス
監督 グラウベル・ローシャ
脚本 グラウベル・ローシャ / ヴァウテール・リマJr. / パウロ・ジウ・ソアレス
撮影 ヴァウデマール・リマ
美術 パウロ・ジウ・ソアレス
音楽 セルジオ・リカルド / グラウベル・ローシャ
衣装 パウロ・ジウ・ソアレス
出演 オトン・バストス / ビリー・デイヴィス / ジェラルド・デル・レイ / ソニア・ドス・ウミルデス / マウリシオ・ド・バッレ / ジョアン・ガマ / マリオ・グスマン / イオナ・マガリャンエス 映画批評空間より

何とも奇妙な映画>見たのはビデオだけど
①貧困故のユートピア(至福千年王国)的宗教(カルト)の情熱>なんかドキュメンタリーみたいな迫真性でもって迫る
②①と関連し苦行(修業)で主人公が思い重そうな岩の塊を両手で持ち上げ頭に載せ、膝を屈しながら前進しようとしては倒れ、それを何度も行うシーン>ジルベールルコントGilbert-Lecomte Roger<類推の山>を著したルネ・ドーマルDaumal Reneら<Le grand jeu>を思い出させてくれた
③山頂の聖者・狂者セバスチャンはインドのグルのような風貌
④キスと言うより抱擁シーンのドアップとレズぽいシーン
⑤モノクロのせいか、劇、いや能を見ているような錯覚
⑥ギターの民謡風な素朴さとインプロヴァゼーション(即興)風効果そして無音
⑦しばしば出てくるのがマカロニウエスタン(同年の荒野の用心棒)風の決闘
(理想や観念と現実の衝突=神と悪魔の二元論)
⑧最後のシーンで主人公が妻の元(現実)に戻り、無責任に走りに走り逃げる滑稽感>これで二元論(勧善懲悪)はブッ壊される

ホドロフスキーの<エル・トポ>を思い出したが、全然違う。
グラウベル・ローシャのこの作品、ベクトルは天上界を目指している。
「山が海になり、海が山になる」ような世界、ハレーションなトランスの状態。
制作時弱冠25才とはスゴ過ぎる!
http://www.tempoglauber.com.br/2005/ingles/indexing.htm←彼のサイト(画像も)