発禁本 城市郎 桃源社 1965,3,20初
このひと澁澤について次のように評するだけの、すごい人だと、本書を読み再認識した。
目次から目に付いただけを列挙すれば
対象作家(人)
谷崎潤一郎
小林多喜二
志賀直哉
椋鳩十
ボッカチオ(デカメロン)
クレランド(ファンニー・ヒル)ママ
ラディゲ(肉体の悪魔)
ミュッセ(ガミアニ)
ジョイス(ユリシーズ)
戦前戦後の発禁本につきマジメ(マニアイックにして博覧強記)にしかも軽妙洒脱な筆づかいで紹介しているのだが、内容は当然といえば当然だが性を中心としたものになっている。ほか戦前の左翼、右翼、大本教についても述べられている。
戦前性を表現、記述することがいかに命がけで、国家権力と対峙しなければならなかったか、たかが言葉されど言葉、表現の自由についても考えさせられた。
今問題なのは対プライバシーかな>性は何でもありOKか?
この中でおやっと思ったのが、仏文学者の平野威馬雄が偽名で<匂える園>、<バルカン戦争>、<ファンニー・ヒル>を翻訳していたこと。そしてS26猥褻罪で出版社と共に起訴されたこと。しかも出版社に印税など騙されていたらしいことも公判中に分かったそうな。
変なひとだとはおっもていたが・・・晩年UFOとか(笑)