マケてもらったの!

utu2004-03-29

今日古本屋のH書店で五、六冊本を買ってまけてもらった

 
 あったかい筆遣いでいい感じ、ただそれだけでなく辛らつな批判・苦言もあり、読んでいて楽しい(単なる収集マニア(死蔵家)でないところがいい)>昔「本の本」で書いていた人、もう相当な年の人のようだけど、感性若々しい

  • 衛生展覧会の欲望(田中聡 ああこれも同出版社 1994,7,5初)

 例の太陽別冊エログロナンセスの時代の中で寄稿していたので(日記既出)、買った。未読

  • 名探偵辞典海外編(郷原宏 東京書籍 1997,2,7初)

 
 なんか失敗したような あの「酔いどれの誇り」「さらば甘き口づけ」の主人公ミロ(ジェームズ・クラムリー)や「夢果つる町」(トレヴェニアン)とか全然言及してないわ!カバーデザインもあほみたいヒドい。でもこの人(郷原)て詩人のH賞受賞したんでしょ、たいした人だと買いかぶった(業腹!)

 懐かしの少年倶楽部時代のサブタイトルの通り
中性への憧憬 江戸川乱歩
感傷の世界 吉屋信子
科学者と戦争 海野十三
日本の剣侠児 山中峰太郎論
等(大仏次郎国枝史郎夢野久作論もあります)
その中で読んだのは昭和初期のモダニスト龍胆寺雄論。啓発され、興味深かった。
70年代後半だったとおもうが、<風ーに関するするEPISODE>がコーベブックスかなにかで発刊され、読んだ覚えがあった。それとサボテンフリークだときいていたので・・
蕗谷虹児イラスト入りの、少女小説<燃えない蝋燭>(S6)の解説とともに、時の文壇の<ボス>川端康成から逆鱗を買い文学的に抹殺された(S9)後、サボテンの研究に没頭 。その辺をチャペックの園芸家十二ヶ月の文を引用しながら

・・・人疎ましから自然に執着していった///

とかいている。
一方、「性とはその間口も奥行きも、十分文学の対象になり得る、との信念で、純粋に性を主題として、作品を書いた」<不死鳥>、<美人館異聞>等があるらしい。