竹中英太郎1906〜1988

utu2004-11-23


<探偵怪奇のモダニズム 竹中英太郎 松野一夫 別冊太陽>1986、5,12平凡社刊←借り物
 うーん、昔、平岡正明編集の<血と薔薇>の夢野久作の復刻作品の中に挿絵があったのでは???

  しかし、ほんとに変わっている、こんなのようく載せられたなー>だから2,30 年も前のことでもその記憶が残っているのだな
 なんか稚拙なようで、ぼやっとしたタッチ、また反対に筆の細い線の作品
 子供らしき奇形児(フリークス)
 残忍な、酷薄な印象と同時に暗い情念が渦巻いているようだ
 毒気に当てられぬように・・・
 
 巻頭エッセーで埴谷雄高が自分の青春時代刺激された他の挿絵画家たちと回顧しながら、彼のことを『流体力学を無視した流体的」な一種流動的なエロティシズムをその輪郭のはっきりせぬ描線の奥からかもし出している画家』といっている。

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竹中英太郎1906〜1988
挿絵画家、イラストレータ
福岡市出身
○略歴
1928年から新青年>で江戸川乱歩<陰獣>、同<押絵と旅する男>、大下宇陀児<魔人>、夢野久作<押絵の奇跡><空飛ぶパラソル>、横溝正史<鬼火>の挿絵、などを手がける。
ほか、週刊朝日の<悪魔の勝利>(甲賀三郎)、江戸川乱歩全集(平凡社)の挿絵、装丁、<探偵趣味>の表紙作成
1934満州歴訪
1935大江春泥作品画譜として名作挿絵全集(平凡社)に製作し、筆を折る
1936 2,26事件関与の疑いで連行、釈放されるも満州へ渡る
1967映画<祇園祭>のパンフレット下絵作成するも、映画制作できず
1969から<日本禁歌集>(URCレコード)、<辻のブルース>、<戦争もの語り>(ビクター)、<失われた海への挽歌>(テイチク)等レコードジャケット作製
1971から息子竹中労(1930.5.30〜1991 ルポライター)の<エライ人を斬る>、<琉球共和国>、<水滸伝・窮民革命のための序説>等の装丁。
1980映画<厳戒令の夜>のための組み絵数点
以上同書参照